沖縄でしかできない仕事をしたい、沖縄らしさを出していきたい。
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No1.出会い
No2.苦悩
No3.伝説
No4.コラボ展の奇跡
アルベルト城間(音楽家)と仲間功(陶芸家)の二人は、今から二十年ほど前、仲間功の師事した、南米出身の陶芸家である糸数ホルヘ氏を介して出会った。
アルベルトと同郷の糸数ホルヘ氏は、歌手を目指して来日し、挫折に苦しみながらも、大きく飛躍しようとしていたアルベルトを、第一線の陶芸家として、頭角を現し始めた仲間功と引きあわせた。
お互いのアートな部分や、人生観に共感したアルベルトと仲間功の二人は、その後も交友を深めていく。
熱く語り、励ましあい、時にはぶつかりながらも、「人々を励ましたい、元気になってもらいたい」とのお互いの信念を確認しあう、年齢差を超えた二人のアーティスト。
そして、出会いの日から、幾歲月。
創作活動の悩みや、様々な難題を抱えながら歩んできた二人。
しかし、二人の信念は常に、「人々の中へ分け入り励ましを送る。そして元気になってもらいたい」という想いに凝縮され、行動に移された。それは一つのライフスタイルとして確立された。
二人の本当の凄さは、ただ、音楽が創れる、楽器を演奏できる、陶器が創れる、絵が描ける、という範疇にあるのではない。その真髄は、現実の上で、苦悩する人々の中に飛び込んで行くアーティストだという事だ。
人気(ひとけ)のない、山にこもって創作したものでも無ければ、遠い異国の地で、静かに思索を重ねたのでもない。
現実に立ち向かい、人々の中に分け入りながら、苦悩と対峙してきたのだ。
その苦悩を昇華させたのが、今回の「アルベルト城間(ペインティング)×仲間功(陶芸)二人展「Guittaray Cebada」の作品群である。
表面をなぞっただけでは、絶対に解りえない力強さ、苦悩を突き抜けた優しさに溢れる作品が創作されている。
十二月五日のオープニングレセプションパーティーで、四十歳の誕生日を迎えた仲間功。もう、「迷いはない」。「新たな旅に出掛ける感じがします。何も恐れず、戦いましょう!」と、心情をメールに綴ったアルベルト。
絵の描ける、詩情溢れる稀有な音楽家と、若くしてその技術を高く評価された、絵心のある陶芸家。
二人のアーティストは、出会いから二十年近くの歳月を経て、伝説を作り上げた。